2012-01-01から1年間の記事一覧

被爆のことはアメリカの軍事機密だった

被爆のことはアメリカの軍事機密だった戸坂村で半年経ってから、山口県の柳井という町の郊外に移りました。軍隊の古い兵舎を一つもらって病院にして、治療を始めたんです。山口県には、逃げてきていた被爆者がいっぱいいたんです。その中に自分は後から救援…

あなたは、内部被ばくのことを知っていますか

四日目の朝、火傷でない死に方が 最初の晩と二日目いっぱいは間違いなくみんな火傷で死んだんだと、そう思い込んでいました。学校で習った時に皮膚が三分の一以上焼けたときは死ぬ、助からないと。見たところ三分の一どころじゃない、半分くらいは焼けている…

恐ろしい目が、人間の目に

恐ろしい目が、人間の目に 今でも忘れられない人がいるんです。それは目を逸らしそこなった人のことです。目が合っちゃた以上逃げられない。後から聞くと二十歳の兵隊です。私がしゃがむと、私の目をじっと睨むように見るんですね。怖い目です。どこかに触っ…

生き死にを分けるのが私の仕事に

生き死にを分けるのが私の仕事に 戻ってきた戸坂村は、市内から北に向かうと初めにある村ですから、村へ入る道には、火傷をした人がいざってくる、歩いてくるでいっぱいでした。死骸もありました。小学校に行ってみると、校庭には一目見ただけでだいたい1,00…

アメリカ軍が原爆を投下

アメリカ軍が原爆を投下 私は、原爆が落ちた8月6日午前8時15分に陸軍病院にいれば、当然死んでいました。原爆が落とされる日の朝の早朝2時ごろ、非番だった私は、陸軍病院で寝ていました。たまたま一度診察させられたことのある心臓弁膜症の6歳の男の子が、…

放射能はどういうふうに人を殺すか

放射能はどういうふうに人を殺すか いろんなお話したいのですが、今日は放射能についてお話します。放射能と聞いても、色もないし臭いもない、形もない、目に見えない。だから、皆さんには放射能というものを自分の頭の中に想像 することすらできないのです…

あなたは、内部被ばくのことを知っていますか

被爆医師・肥田舜太郎さんの証言 あなたは、内部被ばくのことを知っていますか はじめに 私は、肥田舜太郎という内科の医者です。 28歳の時に原爆に遭遇しました。たまたま広島の爆心地から6キロ離れた戸坂(へさか)村にいたため助かりました。私がいた広島…