放射能はどういうふうに人を殺すか

放射能はどういうふうに人を殺すか

いろんなお話したいのですが、今日は放射能についてお話します。放射能と聞いても、色もないし臭いもない、形もない、目に見えない。だから、皆さんには放射能というものを自分の頭の中に想像

することすらできないのです。学者が教えてくれたのをお話しますと、放射能というのは物質の粒。小さな小さな粒です。広島に落ちたウラン、長崎のプルトニウム、ヨウ素とかセシウム137とかいろいろあります。その粒の大きさは、1ミリメートルの数十億分の一のだそうです。そういう小さな粒が一つの爆弾に組み込まれていて核分裂を起こす。ものすごい放射能とエネルギーと熱が出て、人を焼き殺す。とんでもない惨憺たる状態で人を殺す。空気中にいっぱいほうり出された放射能の粒は、水源地の水に溶けたり、あるいは、畑の食べ物にくっついたり、皆さんの吸う空気の中に混じって、体の中に入ります。

 

放射能の被害には、体の外にある放射能から、放射線を浴びる外部被爆とがあります。私たちが広島で経験した時は、外からの被爆しか知りませんでした。しかも、その放射線がどういうふうに身体をやっつけるのかまったく知らなかった今でも医学では何も分かっていません。そして、当然のことですが治療法も何も分かりません。そういう私の経験を通じて、放射能の被害は、どういうふうに人間を殺すかというお話をします。